こんなみじめな場合においても、明るい、ほがらかな性格だ。希望をすてない態度に、玉太郎はアメリカ人のよさを見せつけられたように感じたのだった。
「さ、諸君、出発だ」
ダビットはカメラのレンズのおおいをとった。
不平をいいながらも、誰もがこの演出通り歩きだした。
一歩、一歩すべる岩道を湖の方にくだってゆく。そのゴロゴロした岩道の向うに、大きい帆船が、御殿《ごてん》のようにそそりたっていた。
僕らは助《たすか》る?
「この船に乗り組む途《みち》はただ一つ。あすこです」
ラウダが指差《ゆびさ》した。
「あの岩から、岩づたいにわたって、浅瀬《あさせ》を通って行くのです。さ、僕の後についてきたまえ」
いくども、いやいく百回も通いなれた路にちがいない。ラウダはすっかりなれた足取りで、岩道をのぼっていった。
あとからすぐダビットがつづいた。ダビットは、彼の計画通り、一同が船に乗りこむのを帆柱《ほばしら》の陰あたりからおさめる考えらしい。
ラウダが浅瀬を通って、船ばたにたれている綱にすがって、軽く船内に入ると、ダビットもつづいてあがった。もっともダビットの場合は、ラウダほど身
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