ませんが、船は少しも動かないのです。潮《しお》の満ち引きにおうじて、多少なりとも動くべき筈のところ、船底をコンクリートで固定でもさせられたように、動かない。だからだめでしょう」
 ラウダは下をむいた。
「よし、動くとしても、あの湖からどうしで船を海に出すことが出来るだろうか、僕はよく調べました。五年もの間、調べに調べた結果なのです」
 半ばひとり言のように、深いあきらめの顔色が、ひが消えるような溜息《ためいき》と一しょに、みんなの胸を悲しくさせた。
「でも、一度調べてみようじゃないか」
 長い沈黙の後で、ケンが元気よく云った。
「ラウダ君の見落した処もあろうし、また僕たちの新しい発見に期待してよいだろう」
「ケン、いいところへ気がついた。さあ怪船探検へ出発しよう。ラウダ君が先に立つんだ。それからケン、玉太郎、ラツール君の順で行きたまえ、張君はややおくれてあとから……」
「ダビット、何をいっているんだ」
「映画の話だ。僕はここにカメラをすえる。君はそのままの位置でとまってくれ給え、今度は、僕は船の上から、とる。なにしろカメラが一台だから、カメラマンは忙しいんだ」
「ダビットさんは相変らず
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