ようがなかった。けれど、やらぬよりはいいだろう。無駄《むだ》になったら無駄になっただけの事だ。
「おいポチ、お前は僕らの手紙をもって、使いに行っておくれ」
ポチはいいとも悪いとも感じないらしく、さかんに尾をふっていた。
「ラウダさん、手紙を書きたいんですが、紙と鉛筆はありませんか」
「紙と鉛筆なら、僕がもっている」
ダビットが、胸のポケットから手帳を出した。それにペンシルがついている。
ケンが手帳の紙を一枚ぬいて、それに玉太郎たちのぶじなことを書いた。これを玉太郎のぬいだ靴下に入れると、玉太郎はポチの首にゆわえつけた。
「ポチ、いってくれ」
ポチはワンと吠《ほ》えた。玉太郎の気持がわかったらしい。
「ゆけ」
玉太郎は命令した。
ポチは悲しそうな眼を玉太郎にむけたが、玉太郎のいうことがわかったらしく、洞穴の中から出ていった。
「さ、僕らは一睡《ひとねむ》りしよう」
ケンの言葉に一同は、洞穴のぐるりをとりまいている岩の床に足をのばすことにした。
疲れがぐっすりとねむらせてくれた。
どの位眠ったか。
ワンワンとけたたましく吠えるポチの声に玉太郎がまず眼覚めた。
「ポチ、ど
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