く、探検隊員全部の上にかがやくようになったことは、誰も知らなかった。それがどんな幸福だかは、この書の最後まで読まれた読者にはおわかりになることである。
それは後の物語として、洞穴をぬける四人の身の上にもどろう。
「ケン小父さん。何か人声が聞えませんか」
玉太郎が、ケンの足にサインした。
「うむ、君の耳にもきこえたか、僕は耳のせいかと思っていたが……」
「おい、ストップ」
ダビットが言った。
みんなは息をころして、じっと耳をそばだてた。水にぬれた衣服を通して冷い岩肌の冷気がきゅうっと五体を緊張させた。
ほんのかすかな音である。どこからきこえるのかも見当がつかない。
四人はどっと、八つの耳をそばだてた。
きこえるよ、たしかにきこえる。
「フランス語だ」
「いや英語らしい」
声は空気の流れにのって聞えてくるのではなかった。ダビットが頭の上の岩肌に耳をつけると、声はよけいにはっきりした。つまり声は岩を伝わってひびいてくる振動音なのである。
読者が二階にいる時、階下の話声を聞こうと思えば、窓をあけて聞くより床《ゆか》に耳をつけた方がよい。階下の声の音は二階の床を振動させて、直接
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