読者の耳に伝えてくれるのだ。
 こんなことをしてはもちろん危険だが、遠くを走って来る汽車は、姿が見えない遠方でも、線路には車輪のひびきがのってきている。今四人が耳にしたのはそのひびきの声だ。
「とすると、この近くに誰かがいるのだな」
「そうだよダビット、あんがいその洞穴の上は道路になっていて、そこに誰かが来ているのかも知れない」
「あ、ラツールさんの声だ」
 玉太郎がとつぜんにさけんだ。
「え、ラツール、じゃ、あのフランスの新聞記者のあのラツール君かい」
「そうです。僕信号をしてみます」
 玉太郎が岩のかけらをとりあげて、頭の上の岩肌をコツコツとたたきはじめた。モールス信号だ。
 返事はない。
 コツコツコツコツ、玉太郎は信号を送る。
 まだ返事はない。しかし今度は話し声がきれた。こっちの信号がわかったらしい。
 玉太郎は信号を送った。
「ラツールさんですか。こちらは玉太郎です」
 今度は返報《へんぽう》がきた。
「玉ちゃんかい。どこにいる」
「どこだかわかりません。海に出るらしい洞穴の中です」
「どこから入ったの」
 そこで玉太郎は今までの道すじを長い時間かかって説明した。
「ちょっ
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