夫かい」
「ケン、元気だよ」
「玉太郎君は」
「僕も元気です」
「張さん、あなたは」
「私は故郷の山々を思っていたところです」
「みんな元気なんだね」
ケンはこんな時にも落ちついている。四人が順々に声を出したので、誰がどの辺《へん》にいるかがわかった。
「ねえケン」
「なんだ、ダビット」
「僕のお尻がむずむずするんだよ」
「どうしたんだ」
「あ、魚だ、魚にくいつかれた」
ダビットがとんきょうな声をあげた。
「あ、いててっ、痛い」
「つかまえればいいじゃないか」
「そうはいかんよ、片方の手でカメラを差しあげているんだからね、左手一本じゃつかまらないよ」
「そうか、それゃ残念だね、こっちへ来たらつかまえてやろう、おい、こっちへ追い出してくれよ」
「そうはいかない」
「ダビットの小父《おじ》さん。大きい、お魚ですか」
「うん。ポケットの中のパンくずをとりにきた奴なんだ。大きさは一センチ位かな」
「なあーんだ。じゃあ、食べられる心配はありませんね」
「ないとも、明日のおかずにとってやりたいところだよ」
ダビットは元気がいい。
「あ、なんだこれは」
「どうしたい、玉太郎君」
今度は玉太郎
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