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「うん。もうそう永いことではない。エピローグまで待つことにしようじゃないか。――それから青竜王のことだが、彼奴《きゃつ》のことなら、まあ大丈夫だよ」
と検事は先刻《せんこく》とは打って変って、楽観説を唱えたのだった。
それには訳があった。――いま舞台の上に、赤星ジュリアの右側の方に、軽いタップダンスを踊っている燕尾服《えんびふく》の俳優は、紛《まぎ》れもなく西一郎だった。つまり覆面をしていない青竜王は何事もなかったように、たいへん楽しげに舞台に跳ねまわっているのだった。雁金検事は前からそれをよく知っていたればこそ、青竜王の肩を持ったのであった。
だが青竜王は、傍《はた》から見るほど楽しく踊っているわけではなかった。真実彼の胸の中を切り開いてみると、九つの苦悩を一つの意志の力でもって辛《かろ》うじて支えているのだった。彼は既に非常警戒の網が敷かれたことも、舞台の上から見てとった。しかも舞台では、赤星ジュリアが蜉蝣《かげろう》の生命よりももっと果敢《はか》ない時間に対し必死の希望を賭け、救おうにも救いきれない恐ろしき罪障《ざいしょう》をなんとかして此の一瞬の舞台芸術によって浄化《
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