トスを探しあてましたよ。そして――大団円です」
「ポントスを生捕りにしたのかネ」
「いえ仰《おっ》しゃったとおりポントスは死んでいました。やはりキャバレー・エトワールの中でした。ちょっと気がつかない二重壁の中に閉じ籠められていたのです」
「ほほう、それは出かしたネ」
「ポントスは素晴らしい遺品をわれわれに残してくれました。それは壁の上一面に、折《お》れ釘《くぎ》でひっかいた遺書なんです。彼は吸血鬼に襲われたが、壁の中に入れられてから、暫《しばら》くは生きていたらしいですネ」
「おや、すると彼は吸血鬼じゃなかったのだネ」
「吸血鬼は外にあります。――さあ、これが壁に書いた遺書の写しです。吸血鬼の名前もちゃんと出ています」
といって大江山はあまり綺麗でない紙を拡げた。検事はそれを机の上に伸《の》べて、静かに読み下《くだ》した。
「ほほう、――」と彼は感歎《かんたん》の声をあげ「これでみると、吸血鬼はパチノの曾孫である赤星ジュリアだというのだネ。おお、するとあの竜宮劇場のプリ・マドンナ、赤星ジュリアがあの恐るべき兇行の主だったのか」
と検事は悲痛《ひつう》な面持《おももち》で、あらぬ方を
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