ど、誰彼《だれかれ》の差別なく、入口から雪崩《なだ》れこんだ。
「どうしましたッ」
 と真先《まっさき》に入ったのは、クラブの事務長の大杉《おおすぎ》だった。しかし内部からはウンともスンとも返事がなかった。
 彼は手前にある四番浴室をサッと開いた。そこにはジュリアの衣服が脱ぎ放《ぱな》しになっていた。ノックをして奥の仕切を押し開いたが、どうしたものかジュリアが居ない。噴泉はシャーッと勢いよく出ていた。
 彼は直ぐそこを飛び出すと、次の五番浴室に闖入《ちんにゅう》した。そこには派手な千鳥の衣類が花を蒔《ま》いたように床上《ゆかうえ》に散乱《さんらん》していた。格闘があったのに違いない。事務長はそこで胸を躍らせながら、奥の仕切をサッと開いた。
「呀《あ》ッ!」
 と叫ぶなり、彼は慌てて仕切を閉じた。彼は見るに忍びないものを見たのだ。そこには一糸も纏《まと》わないジュリアが、大理石彫《だいりせきぼ》りの寝像であるかのように、あられもない姿をしてタイルの上に倒れていたのであった。
「オイ、退《ど》いた退《ど》いた」
 と背後に大きな声がした。雁金検事と大江山捜査課長とが入ってきたのだ。
 噴泉
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