るところだった。
それより三十分ほど前、その婦人用の浴室の二つが契約された。もちろんそれは赤星ジュリアと矢走千鳥の二人が、汗にまみれた身体を噴泉で洗うためだった。当時この広い浴場は、二人の外に誰も使用を契約していなかった。
ジュリアは第四号室を、千鳥の方はその隣りの第五号室を借りた。その浴室は、公衆電話函《こうしゅうでんわばこ》を二つ並べたようになっていて、入口に近い仕切《しきり》の中で衣類を脱ぎ、その奥に入ると、白いタイルで張りつめた洗い場になっていて、栓《せん》をひねると天井からシャーッと温湯《おんとう》が滝《たき》のように降ってくるのであった。婦人たちのためには、セロファンで作った透明な袋があって、これを頭から被《かぶ》ってやれば、髪は湯に濡《ぬ》れずに済《す》んだ。
二人はゴトゴトと音をさせながら、着物を脱いだ。
「お姉さま」と千鳥が隣室《りんしつ》から呼んだ。
「なーに、千《ち》いちゃん」
「あたし、何だか怖いわ。だってあまり静かなんですもの」
「おかしな人ネ。静かでいい気持じゃないの」
そういってジュリアは奥に入ると、シャーッと白い噴泉を真白な裸身《らしん》に浴《あ
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