だが、まだ私に媒酌《なこうど》を頼みに来ないネ」と課長は更に機嫌がよかった。
「よして下さい。ジュリア君の人気に障《さわ》りますよ」と一郎が打ち消すのを、ジュリアは、
「あら、あたしは課長さんにぜひお願いしたいわ。でも一郎さんは、あたしがお嫌いなのよ。どうせあたしは独りぽっちで、地獄へ墜《お》ちてゆくのだわ――」
とジュリアはヒステリックに云って、ハンカチーフを鼻に当てた。彼女の打数《だすう》はいよいよ荒れていった。
そんな風にして、コースを一|巡《じゅん》した結果は、大江山がズバ抜けて成績がよく、ずっと落ちて普通の成績を示したのが蝋山教授と矢走千鳥で、雁金検事も西一郎も更に振わず、ジュリアに至っては荒れ切った悪成績だった。
「イヤ恐ろしい成績表だ。全く恐ろしい」
と雁金検事は首を振って一郎の顔をみた。
「全く、こんなに恐ろしく打てようとは、当人の方で面喰《めんくら》っているところですよ」
と大江山課長は自分のことが問題にされているんだと早合点《はやがてん》して、極《きま》り悪《わ》る気《げ》にいった。
「時間があれば、もっと廻りたいのだが……」
と検事が云ったが、凄《すご》
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