た。
第二のティで球を打つと、ジュリアの球は横に曲《まが》って、一時二人に離れた。
「オイ西君」と課長は冗談ともなくそっと連れに囁《ささや》いた。「このあたりに混血児はいないかネ」
「混血児で一番近いのは、アレですよ」と一郎はジュリアの方を指《ゆびさ》した。
「なにジュリアか」とハッとした風であったが、「そう云われると、なるほどジュリアは混血児みたいなところがあるが……私の云っているのは、この玉川附近にもう七十歳ぐらいになる混血児が住んでいるのを知らないかというのだ」
「そんなのは居ませんよ」
「いないというのかネ。君はハッキリ云うから愉快だ、何も知らない癖《くせ》に……」
と独《ひと》り合点《がてん》の課長は、斜《ななめ》ならざる機嫌に見えた。しかし後に分るようにこれらの会話は決して冗談ではなかった。それが持つ重大な意味が今課長に分っていたとしたら、彼はそんなに恵比寿顔《えびすがお》ばかりはしていられなかったであろう。――ジュリアは球《ボール》をグリーンに入れて、二人の方へ手をさしあげた。
第三のコースでは、また三人が一緒になって球を打っていった。
「君たちはだいぶ仲がいいよう
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