うかも知れない。「その子供というのはポントスのことじゃないのかネ」
「ポントスは本当のギリシア人ですよ。あいつはパチノ墓地を探しに来て、その墓地の上だとは知らずに、あのキャバレーを開いていたのです」
「ポントスでなければ誰だい。それとも痣蟹かネ」
「痣蟹は日本人ですよ。青竜王が探しているのは混血児ですよ」
 混血児を探しに玉川へ行った――ということを聞きだした大江山は、鬼の首でも取ったような気がした。これなら或いは分らぬこともあるまい。
 大江山課長は玉川へ自動車を飛ばした。しかし玉川という地域は、人家こそ疎《まば》らであったが、なにしろ広い土地のことだから、どこから調べてよいか見当がつかない。そこで彼は、なるべく混血児の出没《しゅつぼつ》しそうなところはないかと思ったので、秋晴《あきばれ》の停留場の前に立っている土地の名所案内をズラリと眺めまわしたが、そこで目に留《とま》ったのは、「玉川ゴルフ場」という文字だった。
 ゴルフ場に混血児――はちょっと似つかわしいと思った。彼は雁金検事に誘《さそ》われて、いささかゴルフを嗜《たしな》んだ。この秋晴れにゴルフは懐《なつか》しいスポーツであっ
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