ている。くさめが出そうになり、いよいよそれが出るまでには若干時間があるので、出そうになると、鼻を指でこすったり、鼻をくすくすいわせたりして、極力くさめをもみ消すのである。これは修練の結果、七割ぐらいは成功。
遂にくさめが出るに及んでも、それを出さないように最後まで抑止する。
その結果、妙な音響を発する。鼻と口とを抑えてくさめをするからである。鼻孔を出来るだけ細くしてくさめをするからである。うっかりきもちよくくさめをすると、そのあとで胸の中で血管が切れやしなかったかと、たいへん心配になり、くさってしまう。
歩くことがいけないのであろうか。歩くと、はあはあ息を切るから、それが肺の活動を大きくしていけないのであろうか。
喋ることの悪いのは、よく分っている。喋れば肺を活動させ、そして咳がつぎつぎに出て、更に肺をゆすぶりあげることになる。
喋りたくはない。しかし病体で引籠り中のところ、親しい友が来てくれればどうしても喋りたくなる。
仕事の方の客は、用談だけだから、短くてすむ。親しい友ほど、長話になる。それだから親しい友と逢うことはさけなければならないことがよく分っている。だが、私はそ
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