の人物だぜ」
「しかし君は、現在の生徒の時代よりも何十年先まで生きる運命を持っているんだから、君の未来というものがあるわけだ。今は妻君がなくとも、やがて結婚する年齢になるだろうじゃないか。だから二十年先の世の中であるこの海底都市において、君の妻君が町をうろうろしていたって、べつにふしぎでもなんでもない。そうだろう」
「ふーン」
 僕は呻《うな》った。そういえば、そうにちがいない。しかし正直なところ、僕は自分の妻君に会うのが、はずかしくてしょうがないのだ。――でも、どんな顔をしているであろうか。ちょっと会って見たい気も起こらないではない。
「大分前から、君の妻君は別室で待っているんだ。タクマ少年が、ずっとそのそばについて、わしが連絡するのを待っているのじゃ。さあ、これからいって、すぐ会いたまえ。なに、もじもじしているのか」
 カビ博士は、えんりょなく僕をやっつける。
「あ、ちっょと待った」
 と僕は手をあげ、
「どうも訳が分らないことがある……」
「訳が分らないって、何が……」
「これは会わない方がいいと思うね。なぜといって、いいかね、その妻君だがね、その妻君には夫があるんだろう」
「知
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