れてくる災害の急報を読むたびに、色を失っていた。もう会議どころではなかったし、この弱味につけこんで海底都市のヤマ族に攻めこまれたら、どうしたって自分たちトロ族の大敗であろうし、悪くすると一族はほとんど全滅することは明らかであった。
 そこへカビ博士が興奮《こうふん》の色で、オンドリのところへやって来た。
「おお、オンドリどの。われわれは直《ただ》ちに大ぜいの者を、君の国へ出発させることになりました」
 いよいよ来るものが来たなと、オンドリたちは無念の歯がみをした。
 しかし、それはオンドリたちの思いちがいであった。つづいてカビ博士が語ったところによると、この大震災の救済のために、わが海底都市は全力をあげてトロ族の国へ急行するというのであった。食糧や飲料や薬品や居住資材、それからいろいろの交通機関や工作機械に土木用具などをあつめて、それを地底へ持っていって、トロ族を救い、出来るだけ早く、生き残ったトロ族のために居住の場所をこしらえ、彼等が元気づくまでは、食糧をどんどん送って生活の面倒を見ようというのであった。全く人類愛というか、同胞愛というか、それとも生物愛というか、その深い愛に従って行
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