ら、それこそたいへんである。
 海底において、人類ヤマ族と、その下層《かそう》にすむ魚人トロ族が、双方の全滅をかけた大戦闘を始めなくてはならないのだ。そのふしぎなすさまじい海底戦闘は、どんな風にひろがるか、考えてみただけでぞっとする。そしてそれによって生《しょう》ずる惨禍は、とても見るにしのびないほどのいたましいものであろう。
 しかも、どっちかが勝ち、他方が負けたとしても、勝った方はもう今までのように気持よくそこに住むことが出来ないだろう。
 いや、ほんとうは、この海底戦闘では、その特殊な場所がらと体力から考えて、双方ともひどいぎせいを払うことになりそうだ。つまり、共にひどく死に、そして傷ついて、この海底は死屍《しし》るいるいとなるであろう。
「カビ君。なんとか妥協《だきょう》の道はないのか」
 僕はカビ博士にきいた。
「ないね。絶望だ。それ以上|譲歩《じょうほ》すると、わが海底都市は生存のための海底開拓ができなくなる。水深五百メートルのところまでは、絶対に自由行動をみとめてもらわねば困る」
 博士は、かたい決意を眉のあたりに見せて、譲歩《じょうほ》のできないことを主張した。
 僕は
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