側の責任をただした。
 これに対して、海底都市側では全然知らなかったために起った惨害事件であると釈明《しゃくめい》し、そして今後は大いに気をつけること、またこれまでの被害については、ある程度の見舞品を贈ることを答えた。
 魚人たちの側では、それだけではあきたらないと述べ、海底都市の発展をこれ以上ひろげないこと、今始めている一切の、それらの工事を中止せよと申し入れた。
 だが、海底都市側では、そういうことには従うことが出来ないこと、人口の多いことと生活のために、海底都市はますますひろげられねばならないことを主張して、ゆずらなかった。
 そこでこの会談は、暗礁《あんしょう》にのりあげた形となった。
 僕もたいへん残念であったし、カビ博士もすっかりしおれてしまった。
 会談は、対立のまま、すこしの解決の光も見えず、二日三日と過ぎていった。
 その間、オンドリ氏はじめ五名の魚人代表は、しきりに彼らの郷里と連絡をとっていたが、日ましに彼らの態度は硬化してきて、これでは間もなく会談は決裂して、両方は武力をもって解決するという道をえらぶほかなくなるのではないかと心配された。
 もしそんなことが起った
前へ 次へ
全184ページ中169ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング