のようにふくれてパンクするおそれがあった。
それに、もう一つ、彼らの異様な形をした裸身《らしん》が、海底都市の人たちの目にとまって、不快な感じを持たれたり、きらわれたりするのを防ぐためにも必要だった。
破局《はきょく》来《きた》る
オンドリ氏をはじめトロ族の代表者たちが、いよいよ会談を始めることを承知した。
会議場は、市会議事堂であった。
海底都市側では、市長をはじめ七名の最高委員たちが出席した。
カビ博士が急造した言語の翻訳器械は、各人の胸にとりつけられた。それは写真器ほどの小型のものだったが、なかなか成績は優秀で、相手の言葉はこの中ですぐ翻訳されて生理波《せいりは》となり、自分の脳を刺戟《しげき》する。すると相手の言葉が自分たちの言葉となって感ずる仕掛だった。
つまり、じっさいに相手の言葉は音響とならず、直接に聴覚を刺戟して、音を聞いたと同じに感ずるのだった。
会談は、すらすらとは行かなかった。
オンドリ氏を始めトロ族の委員たちは、会談が始まると、急にはげしい気性《きしょう》を表に出して、これまでのかずかずの惨害《さんがい》事件をならべあげて、海底都市
前へ
次へ
全184ページ中168ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング