の間から僕の演じた冒険も外交交渉も、何もかもすべてカビ博士自らが行ったことになっているのだ。
影の人だ。僕は影にいて、賞讃でもみくちゃになるカビ博士をくすぐったく隙見《すきみ》しているわけだった。
僕は、ほんとなら、このお祭さわぎの席には顔を出したくない。しかし、そうしないわけに行かないのだ。なぜならオンドリをはじめ五人の代表魚人たちは、もともと僕との交渉により、僕を信用して、はるばるここまで足をはこんだのである。だから、僕の姿が、彼らのそばから少時間消えても、彼らは非常な不安な色をうかべて僕を探しまわるのであった。そういうことは、ことに始めの一週間ばかりにおいて甚《はなは》だしかった。
僕は、ひやひやしながら、魚人たちの身のまわりの世話や、連絡にあたった。僕は、影のない身であることを海底都市の人に知られまいとして、どんなに毎日苦労をしたか知れない。僕は安全な間接照明の室をよって走りまわった。さもなければ雑《ざっ》とうの巷《ちまた》が安全だった。そこでは影法師《かげぼうし》のことなんか誰も注意していないから。
五名の代表たちは、海底都市の市長や委員たちにほんとうの会談をとげるま
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