んまり君が戻って来ないものだから、とうとう、わしは政府を動かして、この潜水艇三隻の協力を得ることになったのだ」
 博士はそういいながら、五人のトロ族の方をじろりと見た。


   新龍宮《しんりゅうぐう》ホテル


 五人の魚人《ぎょじん》たちをむかえた海底都市は、その歓迎に、町々がひっくりかえるほどのにぎやかさであった。
 そういう魚人が、海底のさらにその下に住んでいたとは知らない人の方が多かったので、「先住《せんじゅう》トロ族の発見とその来訪《らいほう》」というカビ博士の解説文は、報道網《ほうどうもう》を通って海底都市の人々に大きなおどろきと、深い感銘とをあたえた。そして代表オンドリ氏・ビロ氏などの五名の宿舎にあてられた新龍宮《しんりゅうぐう》ホテルの前の広場には、朝早くから夜ふけまで、たくさんの群衆があつまって、わいわいさわぎたてていた。一目でもいいから、魚人を見たいという望みなのだ。
 彼らは、魚人を見たいために、いろいろなはなやかな飾りものをこしらえ、それをホテルの前へ引いて来て、歓迎の音楽を演奏したり合唱をしたりした。
 カビ博士のことは、一躍《いちやく》有名となった。
 
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