になる。だから光源をもっとふやせば、影はそれに応じてふえる。影を五つも六つも持つことは、らくにやれることだ。しかし僕のように、この世に影をなげかけることの出来ないものは、影のふやしようがない。
もっとも、このことも理学的に研究を進めるなら、あるいは出来るようになるかもしれないが……。
僕たちは、ついに最後の砂をつきやぶって海底に出た。
例のなつかしい海底風景であった。
僕はカビ博士のことを念頭《ねんとう》に思いうかべた。そこで博士の貸してくれた通信機のことをも思い出して胸のあたりをさぐってみると、ちゃんとそれがあった。これ幸いと僕はその送話器を通じて、放送をこころみた。
すると、応答があった。
「了解した。すぐそこへ迎えに行く」
という。
そういってから、五分間とかからないうちに、カビ博士は高速潜水艇メバル号に乗ってやって来た。しかもそのうしろには、メバル号よりずっと大きなりっぱな潜水艇が三|隻《せき》したがっていた。
「ご苦労だったね。大いに心配していた」
と博士は潜水服姿であらわれていった。
「ひどい目にあったよ」
「そうだろう。あとから話を聞くことにしよう。……あ
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