んだ。それに、彼奴らは姿さえ見せない……」
博士はため息をついた。が、そのとき彼は僕の腕をぐっと握ると、あえぐようにいった。
「実は、君に頼みたいというのは君が単身《たんしん》で、彼奴《あいつ》に面会をしてくれることだ」
「それは危険だ」
「そうだ。君は多分彼らの手にかかって殺されるだろう」
「ええッ!」
不死《ふし》の真理《しんり》
僕は、このときほど腹の立ったことはなかった。
(このカビ博士――いやこの辻ヶ谷の野郎め!)
と、思わず拳《こぶし》が彼の方へうなりを生じて動きだした。――僕を危険きわまりない謎の陰謀者のところへ使者にやり、そしてそこで僕が殺されるであろうことを知っていながら、僕を行かせようというカビ博士の薄情《はくじょう》さ。
「あ、ちょっと待て。怒るのはもっとものようだが、ちょっと話をきいてくれ」
博士は両手をあげて僕を制した。
メバル号は、とたんにぐっと傾《かたむ》いた。博士はまたあわててハンドルをとりながら、
「君、おちつかにゃいかんよ。君は今、僕のことばにびっくりしたようだが、おどろくことは何もないんだ。君は殺されても一向《いっこう》さし
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