なんだ。第一、そんなことは、わが住民たちが同意しないにきまっている」
と、博士は首を左右に振った。
「でも、そうしなければ陰謀者はいよいよのさばって、君たちへ暴力をほしいままにふりかけるじゃないか」
「わが海底都市住民は、武力抗争《ぶりょくこうそう》ということを非常に嫌っているんだ。だから武力をもって彼奴を追払うという手段は、すくなくとも表面からいったのでは、住民たちの同意を得ることはむずかしい」
「だがおとなしくしていれば、君たちは彼等にくわれてしまうばかりだ。だから防衛のために武力を用いることは――」
「君はいけないよ、そういうことを、この国へ来ていうから。そういうことは、この国では全く通用しないんだから」
「そんなに武力行使ということを嫌っているのかい。それならそれでいいとして、では平和的に外交手段でいってはどうだ」
「それでもだめ。相手は全面的に暴力をもってわれわれに迫っている。外交手段を用いる余地はないのだ。しかも困ったことに、いかなる点から考えても、彼奴らはわれわれよりもずっと知能のすぐれた生物らしい。だから正面からぶつかれば、こちらが負けることはほとんど間違いないと思う
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