、この中の第二景「大阪|道頓堀《どうとんぼり》」のところで例の三人のうち、紅黄世子[#「紅黄世子」に丸傍点]だけが他の二人に別れて出演するのだ。
 それから、それから……。
 残る海原真帆子と柳ちどりとは、第四景の「琵琶湖畔《びわこはん》」に茶店娘《ちゃみせむすめ》お金とお銀で一緒に出る。さても焦《あせ》らせることではある。
 ところで第五景の「山賊邸《さんぞくてい》展望台」では唐子《からこ》の娘として、柳ちどり[#「柳ちどり」に丸傍点][#「柳ちどり」は底本では「紅黄世子」]が出る。
 第六景の「奈良井遊廓《ならいゆうかく》」では残りの海原真帆子[#「海原真帆子」に丸傍点]が出る。これで全部判ったことになる。
 だが、此《こ》の第六景「奈良井遊廓」まで待つ必要はない。既に一つ前の第五景「山賊邸《さんぞくてい》展望台」で、残る二人のうち柳ちどり[#「柳ちどり」は底本では「紅黄世子」]が判るのだから、あとの一人は第六景を見て確《たしか》めずとも判る筈《はず》だった。――敵の副司令の断頭台《だんとうだい》はこの第五景で、切って放たれるのだ。
 QX30[#「30」は縦中横]笹枝弦吾は、歯を
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