きた手拭づつみの握り飯を二人で喰べると、昼間の疲れが一時に出てきた。
二人はだいたい睨《にら》み合って、無言の業をつづけていたが、疲労から睡魔の手へ、彼等はなにがなんだか分らないうちに横にたおれて前後不覚に睡ってしまった。
次の日の暁が来たのも、もちろん二人は知らなかった。どっちが先とも分らず目が覚めたが、そのときはもう太陽が高く上っていて、バラックの外には荷車がギシギシ音を立てて通ってゆくのが聞えた。
杜は目が覚めたが、何もすることがないので、そのままゴロリと寝ていた。頭と足とを逆に寝ていたお千は、藁の中に起きあがった。そして下駄をつっかけると、天井の低い土間に突立《つった》って、物珍らしそうに小屋のうちを眺めまわした。お千がなんとなく嬉しそうにニコリと微笑《ほほえ》んだのを、杜は薄眼の中から見のがさなかった。
お千が小屋の外に出てゆくと、間もなくガヤガヤと元気な人声がした。なんだか木の箱がゴトンゴトンとかち会う音などが聞えた。なんだろうなと思っているうちに、お千がヌッと小屋のなかに入ってきた。彼女は両手に沢山の品物を抱えていた。
「あんた、こんなに貰ったのよ。みな配給品だわ
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