胆《きも》だめしは地獄の一丁目の骸骨館探検!
この発表が少年たちをよろこばせたことといったら、たいへんなものだ。少年たちだけではない、少女たちまでが参加申込みをしてくるのだった。こわいけれど、どんな骸骨があらわれるのか、おもしろそうだからぜひ見たいというわけであった。
このことは子供仲間に電信のように早く伝わり、ずっと遠いところの隣組《となりぐみ》の少年少女たちまでが、僕たちあたしたちも仲間に入れてよと申込んで来る始末《しまつ》だった。
そうなると、清君をはじめ骸骨館準備委員の五少年も、たいへんなはりきり方で、その準備をいそいだ。白粉《おしろい》、煤《すす》と鍋墨《なべずみ》、懐中電灯、電池などと資材は集められた。骸骨おどりのすごさを増すために鬼火《おにび》を二つ出す計画が追加された。これは細い竹のさきに針金をぶらさげ、その針金のさきに綿をつけ、これにメチルアルコールをひたし、火をつけるのだ。すると鬼火のように青い火がでる。竹をうごかすと、火はぶらんぶらんとゆれるから、鬼火らしくなる。
骸骨館から、へい外の出発場までの間に、空缶をぶら下げた縄を高くはることは、他の子供たちの手で
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