かもしれないよ。おもしろいよ」
「うん、それはおもしろそうだ。僕は骸骨になろうっと」
「僕も骸骨になるよ。骸骨は二人出すことにしよう」
「いやン、僕も骸骨にしてよ」
そばでさっきから聞き耳をたてていたブウちゃんがわりこんでいった。
「僕も、僕も……」
「いや、僕も骸骨だ」
良ちゃんも鉄ちゃんも骸骨|志願《しがん》だ。
「骸骨が五人もいちゃ多すぎるね。じゃあこうしよう。この五人が代《かわ》りあって骸骨になって舞台へ出ればいいや。そのほかに、まだすることがあるんだ。たとえば骸骨を見せるために懐中電灯《かいちゅうでんとう》をつけて照らす照明係《しょうめいがかり》が右と左と二人必要なんだ。それから、シロホンをひっかいてかりかりかりと音を出す擬音《ぎおん》係もいるんだ。この音は骸骨の骨が鳴る音をきかせるんだ。これでちょうど人員は五人いるんだよ」
こうして胆だめしの遊びがはじまることになった。その廃工場を骸骨館《がいこつかん》と名づけ、胆だめしの当番はへい外から入ってひとりでその骸骨館へ入り、地獄の一丁目を探検して来なければならないことにきまった。
探検《たんけん》はじまる
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