の隊員はそんなところを見る勇気はなかったので、だまっているものが多かった。
ところが、骸骨係自身も、はじめはたいへんこわくて、もうよそうかと思ったと告白《こくはく》したので、みんなは笑った。しいんとしたあのさびしい骸骨館の中に、五人仲間がいるとはいえ、永い夜を送るのは気持のいいものではなかった。骸骨もすぐそばにいるし、鬼火もすぐそばで燃える。かりかりかりとシロホンが鳴れば、ほんとうに骸骨が鳴ったような気がする。そこへ向こうの草むらから、かんかーンと鉦《かね》の音がひびき、ううッと呻《うな》られると、すっかり身の毛がよだって、骸骨の方が「たすけてくれ」と悲鳴《ひめい》をあげたくなるというのだった。
台風《たいふう》が来たので、骸骨館探検は四日ほど中休みをした。
五日目は、夕方すぎに風もおさまり、雨もあがったので、時間は少しおそくなったが、久しぶりで骸骨館探検をすることになった。骸骨係の清君、一郎君、ブウちゃん、良ちゃん、鉄ちゃんの五人は、道具などをかかえていそいそと薄《うす》ぐらい骸骨館の中へ入っていった。
五人は舞台の上へあがって、したくにかかった。
「おや、ここに乾《かん》パ
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