半。
 突如《とつじょ》として、空襲警報を伝えて、サイレンが鳴りだした。
 部屋部屋が、急にさわがしくなった。
(ふん、また空襲警報か)
 このごろ、毎日のごとく夜半《やはん》から暁《あかつき》にかけて空襲警報が鳴る。しかし多くは、空襲警報だけに終って、敵機の投弾《とうだん》は、殆《ほとん》どなかった。たまに、ドイツ機らしいのが入って来ても、その数は二三機で時間だけは相当ねばって、三四時間に亙《わた》って、市民は避難をしていなければならなかった。今夜も、きっとそのようなことであろうと思っていた。
 仏天青《フォー・テンチン》は、一つには睡眠剤を呑みすぎたせいもあり、また一つには、日暮《ひぐれ》に宿についた臨時の客であったせいもあり、彼は起きないままに、部屋の中に放置《ほうち》されていた。
 気がついたときには、爆弾が、しきりに落ちて炸裂《さくれつ》していた。
 彼は、起き上った。電灯をつけようと、スイッチを探していると、ばっと、突き刺すような閃光《せんこう》が、窓の隙間《すきま》から入ってきた。そして轟然《ごうぜん》たる爆音がつづけさまに、鳴りひびき、そして、じンじンじン[#「じンじン
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