くなりました。それでも逃げるだけ逃げようと、根拠地の白骨島へ着陸したとき、追跡してきた空中部隊のためさんざんな目にあわされました。
 磁力砲がこわれてしまえば、もうそのあとは爆弾や砲弾をはじきかえす力がなくなりました。そこをねらって、わが空中部隊は、爆弾の雨をふらせたのです。
 小浜兵曹長は、あぶない一命をたすかりました。そのとき彼のあたまの中には、もう一つのロケットのことをおもいだしました。
 兵曹長がふりかえったとき、煙の間に、眼の底にやけつくようにはっきりみえたのは、怪塔ロケットの出発のありさまです。
 ばばぁん、ばばぁん。
「あっ、しまった。待て!」
 といったが、もうおそい、怪塔ロケットは隊長機といれかわって、大空にとびあがりました。

     3

「黒人のやつ、降参したようにみえていたが、とうとう俺をだまして、怪塔ロケットでにげてしまったか」
 小浜兵曹長は、無念のあまり、腹ばいながら、いくたびか大地をうちましたが、もはやどうにもなりません。
 しかし、みなさんは、すでにおわかりになっているとおもいますが、怪塔ロケットを俄《にわか》に出発させたのは黒人ではなく、大利根博
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