直しているといった様子が、手にとるように見えます。
これをみて兵曹長は、心中むっといたしました。この調子では、怪塔ロケットの直しができあがるのはいつのことやらわかりません。そこで考えた兵曹長は、黒人たちにむかい、
「お前たち、壊れたところを早く直した者には自由をあたえる。つまりお前たちの生まれた国へ、安全にかえしてやる」
「え?」と、黒人はおどろき顔です。「早く直した者は、奴隷《どれい》からゆるされるのですか。自由の身にして、かえしてくれるのですか。それはほんとうですか」
「そうだ、そのとおりだ」
それを聞くと、黒人たちは、たちまち別の人間のようになり、たがいに、ばたばたこちんこちんと、機械の修理にかかりました。
ロケットは、まもなく直るでしょう。
4
黒人たちが、われ勝《がち》にと、大さわぎをして怪塔ロケットのわるいところを直すことにかかっていたとき、怪塔の入口のところを、ぶらりとはいってきたのは、別人ならぬ大利根博士でありました。
「誰だろう?」
黒人たちは、目をぱちくりです。
大利根博士は、まったく知らぬ顔をして、階上の無電室へのぼっていこうとします。そ
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