このロケットは、磁力砲の役に立たなくなったことをはやくも察して、いまは逃げる一方です。ロケットの尾部から、黒いガスを出して煙幕をはり、逃げること、その逃げること。
3
いま、どっちも、鬼ごっこをしています。
磁力砲も機関銃もうたず、もっぱらロケットは逃げることに一生けんめいですし、秘密艦隊の方では、それに追いつくことで一生けんめいです。
そうこうするうちに、このおそろしい鬼ごっこはだんだんと白骨島に近づいてきました。塩田大尉はそれを小浜兵曹長のところへ、さかんに知らせてきます。それを聞いていた小浜兵曹長は、こちらもなんとかしてこの怪塔ロケットをとばせて、むこうから逃げてくる敵の隊長ロケットをむかえうちたいとおもいました。
兵曹長は、黒人のところへやってきて、
「まだこの怪塔ロケットは、うごかないか」
と、聞きました。
「いや、なかなかうごきません。こんなに壊れているのですから、考えてもおわかりでしょうが、直るまでにはなかなかたいへんです」
黒人たちは、そういいました。それで早く直しにかかるのかとおもっていますと、そうでもありません。いやいやながら壊れたところを
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