のとき、小浜兵曹長はこれを見つけて、
「とまれ! あなたは誰ですか」
と、殺人光線灯をむけました。
「やあ、君のことかね。いま、向こうの洞穴のなかで、帆村君から聞いてきたよ、僕|一身《いっしん》のため、まことにすまないことをした」
「あなたは誰です。どこかで見たことのある人だが」
「わしのことか。君にわからないというのは、たいへん残念だ。わしは大利根じゃ」
「えっ、大利根博士!」
と小浜兵曹長は、おどろきの目をぐわーっと開き、
「そうだ、はっきり覚えています。軍艦はじめ方々でお目にかかった大利根博士だ。博士、われわれはあなたが怪塔王のために、殺されたこととおもっていました」
そういいながらも、兵曹長はじっと博士の顔から眼をはなしません。
「そうおもうのも無理はない。なぜか怪塔王は、わしが死んだように見せたかったのだ。わしは、とつぜん研究室にとびこんできた怪塔王たちにつかまり、この島へつれてこられたのだ。そしてあの洞窟のなかにとじこめられ、ひどい目にあっていたよ。さっき帆村探偵にすくわれ、こんなうれしいことはない。しかしよく聞いてみると、君が飛行機でこの島へとんでこなければ、このよ
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