の勝となった模様です。しかし、空中に残る一台のロケットがなかなか降参いたしません。それは敵の隊長がたいへん抵抗するためでありました。この最後の一台のロケットが、どういうものかなかなかつよいのです。いささか手をやいているとき、小浜兵曹長からの無電がはいり、軍艦六甲の艦橋にいた塩田大尉がマイクロフォンの前にでました。
「おお、小浜兵曹長か。こちらは塩田大尉だ。お前はよく生きていたな。おれはたいへんうれしいぞ」
と、まず大尉は、部下の無事をよろこびました。こっちは小浜兵曹長です。上官の声をきいて、どんなに気がつよくなったかわかりません。
「ああ塩田大尉、私も上官のお声を耳にしてどんなにか嬉しゅうございましょう」といいましたが、とたんにおもわず胸のなかが一ぱいになりました。
2
塩田大尉と小浜兵曹長の無線電話は、つづきます。――
「塩田大尉、私と帆村探偵とは、首尾よく怪塔王をやっつけてしまいましたから、どうかごあんしんねがいます」
と、小浜兵曹長は報告しましたが、それは小浜のおもいちがいで、怪塔王はやっつけられもせず、あいかわらず生きてあばれているのでありました。帆村と怪塔
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