ではないかと、いくたびも考えなおさずにはいられませんでした。
「いや、間違なく、大利根博士が怪塔王だったのだ!」
帆村は、はっきり自分にいいきかせました。それにちがいないのです。
ただ、この上のふしぎは国宝的科学者ともいわれているあの大利根博士が、仮面をむけば、なぜあのように憎むべき怪塔王であったかという謎です。それこそは、どうしても解かねばならぬ大きな謎でありました。おそろしい怪塔王の仕業《しわざ》も、みなその謎の中に一しょに秘められているのにちがいありません。なぜ? なぜ? なぜ?
帆村の勇気は百倍しました。わが海軍の機密を知りぬいている大利根博士が、あの怪塔王だとしたら、これは一刻もそのままゆるしておけないことです。ぜひとも怪塔王をとらえて、そして、なぜ怪塔王がそんなわるいことをするのか、その大きな謎をとかなければ、国防上これはたいへんなことになります。
怪塔王は一たん死んだものとおもわれましたが、ここにきて、残念ながらそれを取消さなければならなくなりました。
怪塔王は、まだ生きているのです。岩窟の中で見た大利根博士こそは、外ならぬ怪塔王の姿だったのです。ですから怪塔王
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