事がすみましたら、すぐにもう一度この岩窟へひきかえしてください。私はあくまで大利根博士をさがし出すつもりなんです。怪塔王のいったことが嘘《うそ》でなければ、博士はかならずこの岩窟のどこかに隠されているはずですから」
「よろしい。私も博士の行方をつきとめることには賛成だ」
 小浜兵曹長はそう言って、出かけました。


   新しい怪事



     1

 小浜兵曹長が、岩山を出て、ロケットの見える白骨島の平原の方へおりていきますと、さびしい洞窟のなかには、帆村探偵ただ一人となりました。
 このうすぐらい洞窟内は、けっして気持のよいところではありません。見えるのは岩ばかりでありましたが、なんだかそのほかに魔物でも棲《す》んでいるように思えてなりません。その魔物は岩のかげから、黄いろい眼を光らせながら、帆村の様子をそっと隙見しているような気がします。
(なぜこう気味がわるいのだろう。僕は急に臆病者になったのかしらん?)
 帆村は、岩の根に腰うちかけ、あたりをぐるぐる見まわしながら、自分の心にそんな質問をかけてみました。
 耳を澄まして聞いていますと、どーんどーんという音がします。どこか海
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