のところただ一つの方法しかありません。それは目下故障のまま白骨島の砂上に「えんこ」をしている怪塔ロケット第一号の無電装置をつかうことでありました。なかなか忙しいことです。
怪塔王のほろんだ岩窟を、そのまま後にするのは、たいへん心のこりでありました。なんだか、怪塔王がその辺から血まみれになって、匐上《はいあが》って来るような気がしてなりませんでした。
「どうしましょうかねえ、小浜さん」
と帆村探偵は、心配そうに相談いたしますと、兵曹長は笑って、
「なあに、怪塔王がいくらつよいといっても、一旦《いったん》死んだ以上、ちっとも恐しくない。しかしそんなに気がかりなら、帆村君はしばらくここにいたまえ。その間に私は、ロケットの無電を使って、艦隊へ連絡してくる」
「あなた一人で大丈夫かしら」
「大丈夫だとも。第一、この殺人光線灯があれば、たとえ後に怪塔王の配下が幾千人のこっていようと、おそれることはありゃしない」
兵曹長は、軍人らしく、きっぱりと申しましたので、帆村もついにその気になり、ここに二人はちょっと左右へ分れることになりました。
「では、小浜さん。艦隊への連絡は、頼みましたよ。そして用
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