、頭をぶっつけないようにしたまえ」
「なに、頭をぶつけるなというのか」
帆村と小浜は、ついその言葉に釣《つ》られて、はっと上を見た。そのとき二人の眼は、怪塔王の身体から放れて、真黒な岩天井にうつった。それこそ、すっかり怪塔王の思う壺にはまったのであった。博士を種に、二人はここまで引出されたのだ。
「えいっ」
一声高く、怪塔王が叫ぶとみるや、彼の姿は岩のわれ目の中に消えた。
「あっ、逃げた!」
帆村と兵曹長とは、すぐさまその後を追おうとしたが、そのとき二人は、岩のわれ目の向こうが深い谷になっているのに気がつき、はっと身を縮めた。
ぎゃーっ。
そのとき、谷底から、魂消《たまげ》るような悲鳴がきこえて来た。二人はそれは谷底におちて岩角に頭をうちつけたらしい怪塔王の最期の声であると知った。
「おお、あれは――」
「うん、怪塔王の自滅だ」
帆村探偵と小浜兵曹長は、おもわず双方からよって、手と手をしっかり握りあわせた。
4
怪塔王は、ついに自滅したようです。
帆村探偵と小浜兵曹長とは、この快報を一刻もはやく秘密艦隊へ知らせたいとおもいました。
それを知らせるには、今
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