帆村は、怪塔王の胸もとをつかんばかりの、はげしい剣幕でつめよった。
 怪塔王は、しばらく口をもごもごさせていたが、やがて決心したらしく、
「大利根博士の行方を、それほど知りたいか。ではやむを得ない。これから案内して、博士をお前たちに、ひきわたそう」
「えっ、博士を渡してくれるか。すると博士は、この島にいられるのか」
「うん、そうだ。この上の洞窟の中に、監禁してあるのだ」

     3

 大利根博士が、この島に監禁されているときいて、帆村探偵も、小浜兵曹長も、おどろいたり、またよろこんだりした。
「では、早く案内しろ」
 怪塔王の横には、帆村探偵がつきそい、そのうしろからは、小浜兵曹長が殺人光線灯をもってつき従った。万一、怪塔王が逃げようとすれば、すぐこの殺人光線灯をかけるつもりだった。
 怪塔王は、坂道をのぼると、例の洞窟の中へはいった。中はうすぐらく、その下には、あのおそるべき海底牢獄がある。
「怪塔王、貴様は博士を海底牢獄にほうりこんだな。ひどい奴だ」
「いや、海底牢獄ではない。この洞窟の中に、別に大きな部屋があるのだ。さあ、この岩のわれ目からはいっていくのだ。天井が低いから
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