っている二人にとって、これくらい嬉《うれ》しく、そして力づよいことはありません。
「あっ、そうか」と、怪塔王はこの時何をおもいだしたか、つよく手をうち、「おい、隊長、向こうは、わしが秘密にしておいたあべこべ砲を持ちだしたらしい。艦隊や飛行機はいつの間にか、みなあべこべ砲をつけているのだ。だから、こっちから磁力砲をうつのはすぐやめにしろ。うつだけ損だ。損ばかりではない。自分でうったものが、自分にかえって来て、ロケットや乗組員を焼くのだ。あぶないあぶない。お前は、すぐロケット隊全部に引上《ひきあげ》を命じなさい」
 怪塔王は夢中になって、マイクの中に命令をふきこみました。
「首領、引上げてこいとおっしゃっても、もうそれは遅いのです」
 隊長の声は半分泣いていました。

     6

「もう遅いって、どうしてもう遅いのか」
 怪塔王は敗戦のロケット隊長をしかるように、もう遅いわけを聞きかえしました。
「はあ、そのわけは、わがロケットの損害があまりに大きくて――首領、どうも申訳《もうしわけ》がありません」
「おい、はっきりいえ。わがロケットの損害は、どのくらいか」
「はい。まことに申し上げに
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