出てきました。怪塔王の眼は、異様にかがやきました。
5
高声機の中からは、戦闘中のロケット隊長から怪塔王あてにかかって来た戦況報告がひびいて来ました。
「首領、わが怪塔ロケット隊は、おもいがけない負戦《まけいくさ》に、一同の士気はさっぱりふるいません」
「なんだ、負戦? そんなことがあろうはずはない。磁力砲でもってどんどんやっつければいいではないか」
と、怪塔王はおもわず叫びました。
「ところが、首領、その磁力砲が一向役にたたないのです。磁力砲を日本艦隊や飛行機にむけてうちだしますと、向こうは平気でいるのです。そして、磁力砲をうったこっちが、あべこべに真赤な焼《や》け鉄《がね》をおしつけられたように、急に機体が熱くなって、ぶすぶすと燃えだすさわぎです。どうも変です」
「磁力砲をうったこっちが、あべこべに燃えだすというのか。はて、それはふしぎだ」
怪塔王はあらあらしい息づかいをして、無念のおもいいれです。帆村探偵と小浜兵曹長とは、この様子をさっきからじっと見まもっていました。敵のロケット隊長の戦況報告によれば、わが秘密艦隊はこのところたいへん優勢であります。怪塔王と戦
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