らどんなほんとうの顔があらわれるか……」
「ああ、それはゆるしてくれ、マスクのことを知られては仕方がないが、私はおしまいまでこのマスクでいたいのだ。素顔を誰にも見られたくない」
「いまになって、なにをいう。指揮権はみなこっちへもらったはずだ。なにをやろうと、君は命令にしたがいさえすればいい」
「ま、待ってくれ。こんなところで、私にはじをかかせるな。時節が来れば、きっとマスクをはずすから、しばらく待て」
「うむ、わかった」
 帆村はこのとき大きくうなずきました。
「どうした帆村君、なにがわかったのか」
 小浜兵曹長が、聞きました。
「いや小浜さん、このマスクの下にあるほんとうの顔が、それがわかったというのです」
「え、それはなんのことだ」
「つまり、怪塔王のマスクの下には、僕たちのよく知っている顔がある、ということなんです」

     4

 帆村探偵は、怪塔王のマスクの下に、知っている人の顔があるといいます。
 小浜兵曹長は、おどろいて、
「それは誰の顔だ」
「それは――」
 と帆村は、おもわず興奮に顔を赤くし、怪塔王を指さしながら、
「それは外でもありません、この下に大利根博士の顔
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