ぶない。ま、待て」
「怪塔王ともいわれる人物でありながら、往生ぎわの悪い奴だなあ」
 帆村探偵も横からあきれ顔でいいました。
「しかたがない。ロケット隊の指揮を、お前たちにまかそう」
 怪塔王は、はきだすようにいいました。しかしそのうちにも、彼はしきりになにかを待っているらしく、耳をそばだてていました。

     3

 怪塔王は、とうとう帆村探偵と小浜兵曹長とに降参してしまったのです。これくらい痛快なことはありません。
「これで、俺は胸の中がはればれした」
 小浜兵曹長は、鬼の首をとったようによろこびました。
 帆村探偵は、また一歩前に出て、怪塔王の横腹をつつき、
「さあ怪塔王、こうなると、僕は永いあいだ貸しておいたものをいま君から貰うぞ」
「借りたものって、一体なにを借りたか」
 怪塔王はふしぎそうに、帆村をにらみかえしました。
「あはははは、もう忘れたのか。外でもない、君がいま顔につけているそのマスクのことさ」
「ええっ――」
「おぼえているだろう。このまえ、僕は、君がいまつけている変なマスクを取ろうとして、君のためやっつけられたのだ。いまこそ、そのマスクを取る。さて、その下か
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