でした。
 だが、兵曹長はすこしやりすぎてはいないでしょうか。帆村探偵は、兵曹長が怪塔王の仲間に見られることをたいへんおそれていたのに、兵曹長は大胆にも小屋を出て、怪塔王を追いかけているのですから、ちとらんぼうのようにも思われます。
 そのうちに、小浜兵曹長はついにうまく怪塔王のうしろに出ました。怪塔王は、なにも知らないで、まだ地面をさがしています。こうなれば、怪塔王は小浜兵曹長の手の中にあるようなものです。
「やっ!」
 小浜兵曹長は、掛声もろとも、怪塔王のうしろからとびつきました。


   大格闘



     1

「この野郎!」
 小浜兵曹長は、怪塔王の背後からとびついて、砂原の上におさえつけました。
「ううーっ」
 怪塔王は、大力をふるって下からはねのけようとします。
 そうはさせないぞと、兵曹長は怪塔王の首を締《し》めるつもりで、右腕をすばやく相手ののどにまわしましたが、その時怪塔王にがぶりと咬《か》みつかれました。
「あいててて」
 犬のように咬みつかれたので、小浜兵曹長は、おもわず力をぬきました。
 すると怪塔王の腰が、鋼《はがね》の板のようにつよくはねかえり、あっ
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