んだか訳のわからぬ機械が、いくつもいくつも壊れたままに積みかさねてありました。
「おじさん、これは何の機械だろうね」
と、一彦はそっと帆村の腕をひっぱって、たずねました。
「ふうん、この機械かね。はっきりわからないけれど、こっちにあるのは、電気を起す機械だし、それからまたあそこにあるのは、どう考えても圧搾《あっさく》空気を入れるいれものだねえ。そのほかいろいろなものがある。どれもみな壊れているようだ。なぜこんなものを集めてあるのかなあ」
と、帆村はふしぎでしかたがないという風に、頭をふりました。
そのうちに目にはいったのは、この円い缶詰《かんづめ》のなかにはいったような部屋の真中についている螺旋階段でした。
螺旋階段というのは、普通の階段のようにまっすぐではなく、ぐるぐるとねじれている狭い階段のことです。
二人はそれをつたって、二階へあがっていきました。
この二階もまっくらですが、懐中電灯で照らしてみますと、ここはたいへんきちんとしていまして、黒ぬりの美しい配電盤や、そのほか複雑な機械がずらりと並んでいました。
「ここは何をするところなの」
「さあおじさんにはわからないよ。
前へ
次へ
全352ページ中27ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング