《は》って、うんうんうなっています。
どーん。
どどどーん。
その時です。銃声が大きくひびいたのは。――
「ううむ」
小浜兵曹長は、ばったり砂上にたおれました。
敵はピストルを発射したのです。
兵曹長がたおれたのを見ると、敵はたいへん元気になって、そのまわりにあつまってまいりました。
兵曹長は、起きあがろうとしきりに砂上に腕をつっぱっていますが、なかなか起きあがることが出来ません。それもそのはず、彼は腿《もも》のところをピストルのたまにうちぬかれたのです。鮮血はズボンを赤く染めて、なおもひろがっていきます。
敵はそれを見ると、どっと兵曹長の上におし重なりました。なんでもかんでも、彼を俘虜にしてしまおうというのです。
「き、貴様らにつかまってたまるものか。この野郎、えいっ」
小浜兵曹長は腕だけつかって、また敵を投げとばしました。なかなか勇猛な兵曹長です。
そのとき、敵の大将株の男は、卑怯にも兵曹長のうしろからそっと忍びよりました。そして兵曹長の油断をみすますと、足をあげて、かたい靴のさきで、兵曹長の後頭部を力まかせにがぁんと蹴とばしました。
「あっ!」
いくら勇猛で
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