いた。まるで無人島のようだ」
 無人島?
 この荒涼たる風景を見ていると、ほんとうに無人島であるように思われてきました。
「無人島へ不時着したとなると、こいつはなかなかやっかいなことになったぞ」
 でも兵曹長は、口ほど困っている様子もなく、あたりをしきりにじろじろ見ていましたが、砂原の向こうは、そう高くない山ですが、まるで、鋸《のこぎり》の歯のように角ばった妙なかっこうの山があるのに目をつけました。

     3

 無人島で見つけたのこぎり山!
 小浜兵曹長は、そののこぎり山のところまでいって山をのぼって見ようとおもいました。
 ひょっとすると、山の向こうに、なにか漁夫の家でもありはしないかと、そんなことを考えついたからです。
 小浜兵曹長は、草原を山の方にむかって、歩きだしました。
 太陽の光は、じつに強く、頭がぼうっと煙になって燃えてしまいそうです。でも、その砂まじりの草原を、どんどんすすんでいきました。
 草原がつきると、いよいよ岩石でつみあげられたのこぎり山です。小浜兵曹長は、はやく山をのぼりきって、その向こうにどんな風景があるか見たいものだと、たいへん好奇心をそそられまし
前へ 次へ
全352ページ中232ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング