さです。
2
「なんしろ暑い。ここはどこなんだろう」
と小浜兵曹長は、座席から下りて、飛行機の陰にはいりました。
「ああ、壊れていらあ。翼がめちゃめちゃだ。よく働いてくれた愛機だったが、もうどうにもならん」
愛機は、怪塔王の磁力砲にうたれたり、暴風雨に叩かれたり、無理な着陸で翼を折ったり、さんざんな目にあいました。
水をうんとのんだので、兵曹長はたいへん元気づきました。さらに座席の下から、航空用食料をとりだして食べましたので、いよいよ兵曹長は大元気になりました。
「さあ、元気になった。ところで、電話のある家をさがそう」
兵曹長は腰をあげ、壊れた飛行機の下から出ました。
小手をかざして、附近をじっと眺めていた兵曹長は、
「ここは一体どこだろうか。たいへんさびしい海岸だな」
うしろに砂丘がありましたので、兵曹長はその上にのぼりました。高いところへのぼれば、見晴らしがきくからと思ったのです。
「あれえ、な、なんにも家らしいものが見えないぞ」
海岸に家が一軒もないばかりか、その奥は一面の砂原つづきでありまして、家も見えなければ、電柱も立っていません。
「これはおどろ
前へ
次へ
全352ページ中231ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
海野 十三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング