いつに似ず、たいへんがんばっています。
「だがねえ、一彦君」
 と、こんどは塩田大尉が、口をひらき、
「君のいうように、もし怪塔王と博士とが、同じ仲間だとすると、博士のズボンが血ぞめになっているのが変ではないかねえ。なぜといえば、仲間同志で殺しあうなんてことは変だからね」
「あれは、怪塔王が僕たちをだますためにやったのだと思います。怪塔王が博士を殺したとみせかけ、実は――実は。――」
 と、一彦少年は、その先をいおうか、いうまいかと、息をはずませました。


   兵曹長の蘇生《そせい》



     1

 小浜兵曹長は、どうしたでしょうか。
 大暴風の中を突破して、やっと陸地をみつけて海岸に不時着した兵曹長は、そのまま、機上に人事不省《じんじふせい》になってしまったことは、皆さんおぼえておいででしょう。
 それからどのくらい時間がたったかしれませんがふと気がついてみると、夜はすっかり明けはなれ、あれほどはげしかった嵐はどこかへ行ってしまい、まるで嘘のような上天気になっていました。
「ああっ、暑い!」
 やけに暑い太陽の光線が、兵曹長の体にじかにあたっていました。その暑さのあまり、
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